先日パイプオルガンのコンサートに行きました。あまり聴く機会のないですが、とても魅力的な楽器です。
パイプオルガンは楽器の王様と言われるピアノと対比して、楽器の女王とも呼ばれることのある楽器です。この記事は、この楽器を知らない方へ向けて、興味をもっていただきたいなと思って書いています。
パイプオルガンは非常に大きな楽器で、大きいコンサートホールや、教会などに備え付けられています。
楽器自体が壁一面を使ってしまうほどの大きさですから、移動はもちろんできません。ホールに設置というよりは、建設すると言った方が適切かもしれません。
それほどの規模の楽器です。
パイプオルガンの仕組み
パイプオルガンはオルガンなので、見た目上は鍵盤楽器です。一見すると、ピアノと同じように音が出そうだなと思われるのですが、仕組みは管楽器と一緒です。
パイプオルガンにはピアノのように鍵盤がたくさんついています。ピアノは鍵盤が一段ですが、パイプオルガンの場合には二段ないしは三段ほどの鍵盤があり、さらに、足元にも足で弾く鍵盤がついていますから、ピアノよりも多くの鍵盤があることになります。
その一つ一つに対して、一本のパイプが用意されています。
鍵盤を押すと空気がパイプに送られて、パイプが笛と同じ原理で鳴るのです。
パイプオルガンの名曲
パイプオルガンの名曲として有名なものは、ヨハン・セバスチャン・バッハの作品でしょう。
私はパイプオルガンのコンサートには数回足を運んだことがあるのですが、バッハの曲は必ずと言ってよいほど演奏されます。
バッハは自身が優れたオルガン奏者だったこともあって、非常に優れたオルガン曲を数多く残しています。
中学の教科書に載っている「小フーガト短調」もオルガンのための曲です。
パイプオルガンのある教会
パイプオルガンは教会にもあるという話を最初に書きました。
私が訪れた教会の中で印象に残っているのが、青山学院大学の相模原キャンパスの教会です。しっかりパイプオルガンが用意されているのですよね。
音大だと、大学内のホールにパイプオルガンが備え付けられていますが、音大以外でパイプオルガンがあるというのはすごいなと思います。
パイプオルガンの魅力とは
パイプオルガンの鍵盤にはそれぞれ一本のパイプが対応しているということを上で書いているのですが、実は、これは正確ではありません。
本当は、もっとたくさんのパイプが用意されているのです。
どういうことなのか。
パイプオルガンには、「ストップ」という、音色を切り替えるためのスイッチがついています。これは、抜き差しできる棒状のスイッチで、一本一本が一つの音色に対応しています。
例えば、音色がA、B、Cの三種類だとしたら、ストップは3本になります。
そして、それぞれのストップを引っ張るか引っ張らないかというパターンがあるので、
2 × 2 × 2 = 8
通りの音色が作れることになります。(A+B、A+B+Cといった、音色を組み合わせることで出来る音色も含みます)
実際にはストップは数本ではなく数十本も用意されているので、音色の種類は無限大です。
そして、たくさんのストップを引っぱってONにすることは、音色変化とともに、鳴るパイプの本数が増えることも意味しますから、音量を大きくすることも意味します。
CDでも良いのでパイプオルガンの演奏を聴いていただくと分かると思うのですが、一曲の中でも途中で音量や音色が大きく変わると思います。これは、ストップの出し入れによって制御されているのです。
パイプオルガンは非常に音色の可能性が多様な楽器で、この音色の選び方は演奏者のセンスに任されています。
一台一台用意されている音色が異なりますから、聴く場所が違えば当然音楽が変わってきますし、同じ場所の同じオルガンであっても、演奏者によって音色の選び方が変わりますから、やはり音楽が変わります。
一つの楽器で実に多様な音色が出せるということ
オーケストラにも負けない音量で壮大な音楽が奏でられること
一台一台が異なる音色を持っていて、奏者によっても音色が異なること
この3つが、パイプオルガンの大きな魅力だと思います。
是非、機会があれば実際の演奏を聴いてみていただきたいなと思います。生の演奏を聴くと本当に圧倒されます。