バルトーク
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バルトーク

バルトークという作曲家をご存知でしょうか。『運命』のベートーヴェンや『アイネクライネナハトムジーク』のモーツァルトのように誰もが知っている名曲というのはないですが、西洋音楽史では重要な作曲家の一人です。

私はバルトークの曲というのは知らなくて、「バルトーク・ピチカート」という奏法に名前が入っていることで知っていました。

これは、ヴァイオリンなどで弓を使わずに弦を指で弾いて音を出すピチカート奏法というものがあるのですが、それを楽器と垂直方向に激しく行うことで、弦が楽器にぶつかる音がなるようにするというものです。

こんな激しい奏法の名前になっているので、激しい曲を書いてあるんだろうなあと思っていましたが、実際に曲を聞くと、素朴で親しみやすいものが多いんですね。

そして、『父・バルトーク』という本を読んで知ったのですが、バルトークは民謡収集にとても力を入れていたのだそうです。そんな話、全く知りませんでした。

父・バルトーク 〜息子による大作曲家の思い出

奥さんはピアニストで、奥さんがピアノを弾いていると作曲ができないので弾く時間を決めたりしていたのだとか。亭主関白とは違うのかもしれませんが、家のルールはバルトークが決めていたようです。

まだ読んでいる最中なのですが、バルトークの言葉でとても素敵なものがあったのでご紹介します。

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私はこの世に無で生まれた。そして無で去りたい。
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これです。バルトークは晩年白血病に苦しめられていました。そして、頭の中にあったアイディアを全て楽譜に起こす前に亡くなってしまったようです。そのため、

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いちばん悔しいのは、トランクが詰まったまま、去らねばならないことだ。
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という言葉も残しています。自分の中にある荷物を全て出し切らないままでこの世を去らなければならなかった。さぞ、悔しかったことでしょう。

偉大な芸術家は人生哲学も偉大なのだなと思うと共に、自分も、生ある限りは自分の出来る限りのことをしていきたいなあと思いました。

引き続き、この本は最後まで読みたいと思います。