藤井聡太四段のファンクラブの設立が、親族の意向で白紙になったというニュースを見ました。学業との両立をしている間はそっと見守ってほしいということのようですが、もっともなお気持ちだと思います。
最近テレビで、藤井四段の進路について話題になっていました。対局後のインタビューでの受け答えがとてもしっかりしていて、なんとなく高校生くらいのイメージを持っていましたが、中学生なんですよね。高校進学はどうするのでしょうか。
基本的に、集団教育を行う学校という場は一般常識を広く身に着ける意味合いが大きいと思います。これは、普通に生活する中での社会性を養うものでもありますし、国という仕組みを理解して将来不利益をこうむらないようにするというものでもあると思います。
就職活動で有利になるので、できれば大学を卒業しておいたほうがよいというのが今の日本では一般的な考え方だと思います。
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藤井四段の場合、中学生にしてすでに将来的に生計を立てられる手段を得ているわけで、仮に高校に進学しなかったとしても、将来なんら困ることはないのかもしれません。多くの職業は高校や大学で学ぶような一見すぐに使えなさそうな知識も応用すると役に立つことがあるものですが、こと、将棋に関してそういうことがありうるのかどうかは私には想像の及ばないところです。
しかし、棋士として生きていくにしても、テレビで解説をしたり本を出版したりということになれば、否応なく将棋以外の世界で生きていく人たちとかかわることになります。そういうとき、高校に行っておいたほうが相手を理解するための、自分と相手との共通項を増やしやすいのではないかと思います。
つまり、私としては、中学生にしてすでに将来をたくせる道を見つけているとしても、社会生活を送っていくうえで役に立つので高校に行ったほうがよいのではないかと考えていますが、学校に行く間も惜しんで将棋に打ち込みたいということであれば高校に行かないという選択肢も理解できます。
どちらもあり得る選択肢だろうなあと思いますが、藤井四段がどのような決断をするのか興味があります。
────────2018/4/29 追記─────────
いまさらですが、藤井聡太六段(あれから二つも段位を上げました!)が選んだ道は、高校進学でした。
本記事を最初に書いたときにはあまり意識していませんでしたが、藤井六段が通っていた中学校は中高一貫校だったのですね。
そうなると、ほとんどの生徒はエスカレーターで高校に行くのが当たり前だという環境だと思います。
そんな中で、高校に行かない道も考えられるというのは、中学生にして自分の足で人生を歩み、自分の意志で生き方を決めるのだという、独立心をしっかり持たれていたのだなあと思います。
棋士としてこれだけ活躍されている方。やはり、考え方、生きる姿勢というところが、普通の人(という言い方は良くないかもしれませんが)とは違うのだなあと、あらためて感じています。
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