音型音形 違い
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音型音形 違い

音楽をやっていると、いくつかの音のつながりのことを、「おんけい」と呼ぶことがあります。

今回の議題は、その漢字のことです。

「音形」と「音型」に違いはあるのか。

話が長くなるので最初に結論を書くと、両者に意味の違いというのはなさそうです。色々な書籍を見ると、調べた範囲では「音型」が主流のようですが、「音形」という書き方をするケースもあります。どちらも正しいのではないかと思いますが、「音型」の方が無難かもしれません。

この問題を考えるため、まずは手元にある5つの書籍を調べてみました。

三省堂 現代新国語辞典


三省堂現代新国語辞典 第五版

「音形」ないしは「音型」の掲載はありませんでした。そこで、「かた」の意味を調べました(調べたのは初版です)。
定義の中で、音楽に関係しそうな部分を引用します。
─────────────────
形:
ものの かたち

型:
同じかたち・模様を作るもとになるもの。また、鋳型・木型など
─────────────────

新版 楽式論


新版/楽式論

「おんけい」を分析するのは楽式論の範疇ですから、こちらの書籍が正に、本命と言えるでしょう。

用語としての解説はありませんでしたが、本文中では「音型」の記載となっていました(初出はp41?)。

CD付き 一番よくわかる楽典入門


一番よくわかる楽典入門 CD付き / 木下牧子(1956-) 【本】

どこかで使われているかなあと思ったのですが、使われていないようです(読み飛ばしかもしれませんが)。

楽典 音楽家を志す人のための 新版


新版 楽典―音楽家を志す人のための

こちらは、索引に載っていました。説明がしっかり載っていまして、

─────────────────
音型〔fiture 英・仏〕は、いくつかの音符や休符によって作られ、楽曲のいろいろな部分に melody 的、 rhythm 的、 harmony 的な形になって現れる。
─────────────────

とのことでした。

楽譜を読むチカラ


楽譜を読むチカラ
p122に「音型」という語が出てきます。

ニューグローブ世界音楽大辞典

音大に通う友人に調べてもらいました。こちらの辞典では、「音形」という漢字が使われているそうです。
「音型」で結論づけようとしていたところだったのですが、ここにきて裏切られるとは・・・

結論

楽式論と楽典の本で、「音型」が使われていたので、こちらの表記をするのが無難かと思われますが、「音形」と書かれている辞典も存在します。「音型」と「音形」をニュアンスの違いで使い分けるのかと予想していたのですが、そうではなく、書籍ごとにどちらか決めて使っているようです。

なぜ、「形」でなく「型」なのか。おそらくそれは、音型と言ったときに意識しているのは、その音のまとまりが他と比べてどうなのか。似たようなものがあるのか、あるいはないのかといったことだからだろうと思います。

その一か所だけのことを考えるのではなく、他との比較を行う。そのためには、型に当てはめて考える必要がある。だから「型」をあてるのだろうと解釈しました。

とはいえ、私としては型には違和感を感じていて、形でよいのではないかと思っています。「音形」というのはその時々の音の動きのことを言っているのであって、それが他と似ているかどうかというのは、音形同士を比較した際に初めて分かることだからです。

ただ、「ため息の音型」のような定型もあって、そうなると「音型」かなという気もします。

結局結論が出ないのですが、私個人としては、各々が自分にしっくりする方の漢字(私の場合は「形」)を使えば良いのではないかと考えています。

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